どのように意思はプロダクトへと進むのか?
- 「プロダクトとは、ひとの意思から生まれたひとの表現手段の1つであり、他者が価値を認識し共有できるもの」の定義に照らし合わせた際、第一段階として意思を認識することが重要だ。
- 意思を認識するアプローチは様々あるが、アプローチの一例である「喜怒哀楽」を挙げてみた。ぜひ、あなたの中に自然と生まれてくる内なる声に、耳を澄ましていただきたい。それこそが意思である。
- 「~に喜んで欲しい」「~すると、少なくとも喜んでいる自分がいる」
- 「~にどうしても怒りを覚える」「~しないと、この怒りは収まらない」
- 「~がとても哀しい」「~にもう哀しんでほしくない」
- 「~にもっと楽になってほしい」「~するとなぜか楽しい」
- ひとに内在する意思は、あなただけのものであり他者には見えない。だが、上記のように意思を言語化することで、プロダクトの種となり、誰かと情報交換できるようになる第二段階へと進む。
- プロダクトの種は、XWYHで分解(「誰が、いつ、どこでなぜそれを使って、どうなる」など)できるようになると、いよいよプロダクトのアイディアとなり、要件定義やフローが組みあがり、チームも水平・垂直に連なり、いよいよ他者に対してプロダクト(仮)を産み出してみる第三段階へと進む。
- 産み出されたプロダクト(仮)は、他者の五感に触れられることで、様々なフィードバックや改善要求、口コミなどがプロダクト(仮)へ舞い戻る。そして、正式に世に送り出され、価値を認識され共有されて「プロダクト」と自走する第四段階へと進む。
どのような意思決定から、プロダクトは生まれるのか?
- 「Q. プロダクトの意思決定者はだれか?」と問うた際、第二段階でこの問いに対する答えが導かれていることが望ましい。むしろその意思決定者の存在を以て、第三段階へ進むことが求められる。
- 意思決定者に求められる意思決定で、重要な(=全体へのインパクトが大きく、無暗に変更しにくい)軸は、「時間」と「ひと」だ。下記の問いに常に向き合いながら、第三段階であらゆる意思決定を行っていくことが求められる。
- Q. いつまでに「意思」を「表現手段」へと変容させるのか?
- Q. 誰と「意思」を「表現手段」へと変容させるのか?
- あなたが意思決定者だった場合、HOW(どうすれば~できるのか)に踏み込む時間はかなり限られている。HOWは、数多の試行錯誤と暗中模索を必要とするため、意思決定者以外のチームメンバーが力を発揮するときだ。チームメンバーに考えて行動してもらい、あなたはその意思決定の部分だけを担うことになる。
- あなたが意思決定者だった場合、あらゆる意思決定を(時に、自分の意思決定さえも)信じることができないときもあるだろう。そして、意思決定することに立ち竦む場面もあるだろう。そんなときは、意思決定者=ひとという枠さえも取り外し、もともとの「誰か意思」の立場で捉えてみるのはどうだろうか?
- Q. この意思は、いつプロダクトになりたかったのか?
- Q. この意思は、誰の手でプロダクトになりたかったのか?
- Q. この意思は、どんなプロダクトとして生まれたかったのか?
- どのような意思もプロダクトにできる。ただ、単なる機能の塊としてのプロダクトとして世に送りだすのではなく、これまでにない斬新で新しい世界観を含むような大きな意思を含んだプロダクトとして世に送り出す場合、あなたが深く考え抜いた意思決定、それも高次元な視点からの意思決定が求められる。