Q. 我々の意思決定は、高次元な意思決定か?

次元とは?

  • 我々が初めて次元という言葉に触れるのは、「空間の広がりを表現するための軸」を習うときだ。
  • 森羅万象と対応させながら自然数(1, 2, 3…)を学び、数直線(→)へ投影しながら連続性を持った実数を学び、やがてはデカルト座標系(※今日ではX軸Y軸といった直交座標系の起点となったもの)を導入し、座標軸で張られた空間の広がりを理解しながら、次元の概念を少しずつ獲得していく。

何を以て、高次元と呼ぶのか?

  • このような数学出身の次元という言葉だが、口語表現上、高次元という言葉は、「高い視点で」のようなニュアンスで用いられることがある。「そんな低次元な話はやめよう。もっと高次元な話をしよう」などのような言い回しだ。
  • 立ち止まって深く考えてみると、この高次元には、「ある軸で測った際、低い数値となる話はやめて、高い数値となる話をしよう」「低い水準ではなく、高い水準で話をしよう」という意味が含まれていることがわかる。
  • しかし、前述のもともとの次元の定義に照らし合わせると、以下のようになる。
    • 「AよりもBが高次元とは、AよりもBのほうが空間の広がりを表現するための軸が多いことで記述される」

我々の意思決定は、高次元な意思決定か?

  • 意思決定における高次元とは、口語表現で例に挙げた「高い数値」「高い水準」だけでなく、前述のような「別軸」を導入することも含まれる。
  • 特に、経営者や投資家からアーティストや研究者に至るまで、圧倒的な意思決定が求められる究極の場面においては、このような別軸導入型の高次元な意思決定が求められる。
  • それは、過去の成功事例や、これまで検討してきた意思決定軸の組み合わせで張られる空間ではない、究極の場面で意思決定者が気づく軸・ZERO TO ONEで産み出した軸、すなわち新たな空間の出現となる。
  • 高次元な意思決定によって浮かび上がるその空間にこそ、意思決定者が本来描こうとしてた世界観やプロダクトやサービスが眠っていると私は信じている。